人事労務freeeの活用法(有給管理)
今回は人事労務freeeでの年次有給休暇管理について説明してみようと思います。
働き方改革関連法で年次有給休暇管理簿の作成・保存が義務化されたことにより、有給管理で困っている中小企業が多いのではないでしょうか?
今回義務化された有給管理簿は気をつけるべきことが多く、紙やエクセルで管理するのは面倒です。
そこで、人事労務freeeを活用した有給管理をテーマにしてみました。
少し複雑な操作方法も出てきますが、使い方を理解して是非とも活用してみてください!
目次
人事労務freeeだけで有給管理ができるのか?
今回の記事ではこれが最大の問題になります。
人事労務freeeには有給管理機能が一応備わっているのですが、正直言って機能が充実しているとはいえません。
人事労務freeeはそもそも勤怠機能が弱いため、特殊な勤務体系には基本的に対応していません。
具体的には、「1日8時間勤務、土日祝日休み」のようなオーソドックスな勤務体系でないと、人事労務freeeで勤怠管理を運用することは難しいです。
そうでない場合はKING OF TIMEなどの別のソフトで勤怠・有給管理を行い、人事労務freeeと連携させることをお勧めします。
人事労務freeeで勤怠管理まで行う場合
KING OF TIMEなどを使わずに人事労務freeeのみで勤怠管理する場合の注意点を説明します。
◯人事労務freeeで出来ること
申請・承認
管理簿作成
付与日数の登録
給与明細への有給残日数の記載
✖️人事労務freeeで出来ないこと
自動付与
2019年7月に申請・承認機能が追加されたため、人事労務freeeだけで運用することも現実的になってきました。これは非常に嬉しいですね!
一方、未だ対応していないのが自動付与です。
有給は法律通り運用しようとすると入社日の半年後が付与日となるため、従業員ごとに毎年の付与日がバラバラになることが多いです。
一般的な勤怠管理ソフトでは毎年の付与日を登録すると毎年自動的に有給を付与してくれる機能が備わっていることが多いのですが、人事労務freeeには備わっていません。
強引に付与予約してしまう
解決法として、公式には付与予約の機能すらないのですが、強引に付与予約のようなこともできます。
有給を付与する画面では付与日を選択することになるのですが、ここで未来の日付を選択することが可能です。
例えば現在が7月で付与日が10月の場合、10月の日付でも有給を付与することができます。
そうすると休暇管理の画面では現在の残日数よりも多い日数が表示されてしまうのですが、付与日が到来していない有給は勤怠画面で取得できないようになっています。
また、給与明細に表示される有給残日数も、未来の残日数は表示されず本来の残日数が表示されます。
毎年1回付与登録する時期を決めておき、その時にそこから1年間分の全員分の付与登録をしておけば、付与登録作業はその時1回と新入社員が入社した時だけで済みます。
勤怠管理をIT化しない場合
従業員数が少ない事業所で、勤怠管理はIT化せず、給与計算・Web明細・マイナンバー管理ができれば満足という事業所もあるのではないでしょうか?(本来は勤怠管理もIT化すべきです!)
例えば勤怠を直接編集で編集して給与計算している事業所です。
それでは本来は完全な有給管理はできないのですが、無理やり管理できるようにする方法を説明します。
勤怠を直接編集すると有給管理できない
人事労務freeeで有給を管理するためには、勤怠画面で有給を取得した日の勤怠を「有給」と登録する必要があります。
そうすることで、◯年◯月◯日に有給を取得したというデータが記録され、有給管理簿を作成することができます。
しかし、人事労務freeeで勤怠を使わず(他ソフトとの連携も使わず)に給与計算しようとすると、直接編集にて労働日数・時間外労働時間などを入力することになります。
そうすると、有給を取得した日を事前に登録していたとしても、有給を取得した「日数(何日取得したか)」は残るのですが、「日付(いつ取得したか)」のデータは削除されてしまいます。
これでは完全な有給管理簿は作成できません。
給与明細画面で明細の直接編集をすれば有給取得日データは残りますが、残業代などが自動計算されないため現実的な方法ではありません。
直接編集を使わずに給与計算を行う
手間はかかりますが、以下の手順で操作すれば回避することもできます。
①有給を取得した日は「有給」で登録する。
②勤怠画面で直接編集ではなくカレンダーで無理やり入力する。
1.適当に日付を選択する。
2.「勤務時間の長さを自動で計算しない」にチェックを付ける
3.労働日数以外の時間外労働時間などを入力する。(こうすれば給与明細で残業代などが自動計算される)
4.休日勤務がある場合は別の日を選択し、詳細項目で休日を選択して同じことを行う
③給与明細の直接編集で労働日数を入力する。(こうすれば勤怠画面に影響が出ない)
④保険料・税金を再計算する。
「直接編集」を使わないことで有給取得日データは残り、「明細の直接編集」を使わないことで残業代などは自動計算されます。
勤務日数は「明細の直接編集」で編集しても自動計算されるため日給の場合でも問題ありません。
こうすれば一応有給管理はできますが、無理やりやっているので他のどこに影響が出るかはっきりとは分からず手間もかかるため、やはりKING OF TIMEなどと連携することをお勧めします。
まとめ
紹介した方法をおすすめ順にまとめると、
①勤務体系がベーシックであれば人事労務freeeで勤怠管理を全て行う
②人事労務freeeでの勤怠管理が難しければKING OF TIMEなどと連携させる
③勤怠管理をIT化しないのであれば人事労務freeeで無理やり管理する
有給管理は勤怠管理と密接に関わっているので、やはり一体として管理すべきです。
③の方法はやはりおすすめしません。
労務を部分的ではなくまとめてIT化することが、本当の意味での効率化につながるでしょう。